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後悔処刑34

「あたたた……ディー様大丈夫ですか?」
 申し上げたい苦情も無きにしも非ずではあったが、敬うということを意識していたこと――それは先ほどまでの、あまりにも受け入れがたい状況から極力意識を反らすためのものでもあったが――もあり、呻き声を漏らしつつもマシロは彼女の無事を確認した。
 幸いにもディーをマシロが受け止めるような構図であり、彼女がどこかを打ち付けたようには見えない。
 しかし、当然といえば当然なのだろうが、彼女は驚きに見開かれた眼の中で銀の瞳が瞳孔を目いっぱいに開いていた。
 あまりにも近い。
 あまりにも近すぎる。
 もはや言い逃れもできない。そもそも言い逃れをしなければいけない理由もわからないが、悲しいほどに雄としての本能が、この状況は不味いと警笛をただがむしゃらに吹き鳴らしていた。
 いつまでこの体制が続くのだろう。
 幸いにしてマシロはディーの二の腕を掴む体制でいるため、女性特有のふくらみがもたらす柔らかい感触という恩恵を授かることは適わなかったが、それでも女性の体には違いない。
 それも、相手は神である。
 ひっぱたかれるだろうか?
 そんな懸念に、――まあ、その程度で済むのなら安いものなのかなと、一人考えるマシロだったが、そんなマシロは立て続けに驚倒させられることとなった。
 ディーが笑ったのだ。
 それもどこか悪戯が成功した子供を思わせるような笑みで。
 いやな予感しかしない。
 何故これを嫌な予感だと感じるのかはわからないが、そうとしか思えない。
 なんらかの状況にハメられたという思いしか湧いてこない。
 にまぁっと唇を引き上げるディーはおもむろに顔を寄せてきた。
 そして今度はマシロが目を見開く番となった。
 銀の双眸は閉じられ、もはやそれしか彼の視界には入らない。
 感じるものは確かな熱。
 ディーの鼻からマシロの頬を撫でる吐息と、――何より唇に感じる艶を持った何かの感触。
 これは――なんだろう。
 判らないわけではない。
 判らわないわけではないが、理解したくない。
 この状況。
 あろうことか神が。
 神が人間に――、口づけを交わすなど。
 寝ぼけているのか?
 そうに違いない。
 でなければ、こんなことは起こりえない。
 いやそもそもが、これは夢なのかもしれない。
 そう思った時に唇が蠢いた。
 ついばむように、押し広げてくるように。
 そのあまりにもなまめかしい感触に、マシロはそんな可能性がありえないことを強烈に教えられる。
 どうしてこんなことになったのか。
 マシロには判らないし、見当もつかない。
 訊ねようにも、文字通り唇が塞がれてしまっている。
 背徳感にも似た甘い痺れに、身体が素直に反応する。
 ディーを抱きしめたいという欲求に駆られる。
 これは本能なのか?マシロ自身の気持ちなのか?
 判らない。
 自分のことなのに解らない。
 ああ――、もしかしたら理由なんていらないのかもしれない。
 でも、人間だから。人間なのだからこそ理性的なモノが欲しい。
 キスをされたときに自然とディーが自身の腕で自身の身体を支える姿勢を取っていたからか、腕が付かれてしまった彼女は、それでもギリギリまでマシロの唇を堪能すると、身を起こしてまた悪戯めいた笑みを浮かべた。
「えへへへ――」
 昨日から続く、どことなく幼すぎる彼女の行動に、いよいよもって不安になるマシロだったが、そのとき――。
 がきん。
 という、音が聞こえたような気がした。
 目に見えない何か。
 確認しようのない何か。
 けれども、確実にそれが聞こえた。
 余計な力がかけられたことで噛みあってしまったまま動かなくなった歯車が、その力のためか、あるいは別の方向からの力かに、無理矢理押し出されたようにな異音。
 どこかで聞いたような気がする。
 思い出せないどこかで――。
 そうマシロが思考を巡らせるうち――、
「――あぁっ……」
 短く悲鳴を上げたディーが、マシロの胸に顔を埋めた。

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