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後悔処刑38

 あまりにも不吉な宣告だった。
 いったいこれはどんな仕打ちなんだろう。
 ようやく思いついた言葉はその一言だった。
 死ねば生き返る。
 そんな呪いを宿すマシロにとっても、死というものは非常に受け入れがたいものには違いなかった。
 地獄のような苦しみではない。
 なぜなら地獄のような苦しみの更にずっと最果てにこそ死が待ち受けていることをマシロはよく知っていた。よく知っている。
 だから怖い。
 死ぬことが怖い。
 仮に生き返るのだとしても、あの苦しみをまた味わう羽目になるのかと心が震える。
 覚悟も何もない、ごくごく日常的な心理状態では、あまりにもその宣告は恐ろしいものだった。
「顔が真っ青ですよ?」
 たんたんと。
 ディーはマシロに語りかける。
「――怖いでしょう?」
 マシロは表情はそのままで目だけをかろうじてディーを見る。
 彼女はまるで能面を被ったような無表情だった。
「恐ろしいでしょう?」
 マシロは一つ頷いた。
 まるで壊れたおもちゃのようにかくんと。
 すると一度壊れたおもちゃがまるでそれしかしらないとでもいうかのように、不自然に首を小刻みに何度も上下させた。
「私は今その思いです」
「――――――――え?」
 沈黙がまた訪れてしまう。
 ディーの言葉にマシロの頭の中がまたもや真っ白になる中、懸命に彼の頭脳はこの状況の整理をしようと回転していた。
 明日死ぬと言われた。
その宣告に震えたマシロの思いと、ディーは同じだと口にした。
 と、いうことは?
 ということはっ?!
「ディっ?!ディー様っ!!?」
 辿り着いたそれが間違いであってほしいと願う。想う。祈る。
「ま、まさか明日――……その…………」
 しかし、軽々しくその思いを口にできない。
 口にしたくない。
 否定してほしいと願う言葉を否定されなかった時を想像して、その言葉があまりにも無慈悲なものだから、マシロはなかなか口にすることができない。
 そんなマシロをディーは、静かなまなざしで見つめていた。
 その瞳からは正確な感情をうかがうことができない。
 それでも一つだけわかることは、ディーはマシロの言葉を待っていた。
 彼が語ろうとする言葉を待っていた。
 だからマシロは、苦悩しながらも、苦汁を味わいながら、その舌に言葉を載せた。
「~~――~っ――――――……明日ディー様はなくなってしまわれるのですかっ?!」
 ディーはその言葉を聞きうけると、ゆっくりと瞼を閉じた。
 口元閉じ、己の中に届けられた言葉を吟味するように。
 そして目を開き答えた。
「あなたはなんて不吉なことを言うのですか」
 開いた目は半眼だった。
 向けられた側が傷つくような、ある種の性癖の持ち主なら狂喜しそうな視線だった。
「なっ――は?」
 とはいえ、それを理解できるはずもない。
 少なくとも明日死ぬことなど定まっていないと分かったわけだが、それに喜ぶよりも先に怒りが込み上げてきた。
「だってディー様おっしゃったじゃないですかっ!
 僕が明日死ぬってっ!!」
 するとディーは小ばかにするような溜息をつき、
「ジョークに決まっているじゃないですか」
 まるで、「ば~か」と書いてあるような表情をする。
 これにはさすがにマシロも自分の口端がひくつくのを感じずにはいられなかった。
「明日死ぬと言われた恐怖と同じだって言ってたじゃないですかっ!!」
「いいましたよっ!だってそうでしょ?!
 鈍感なあなたと繊細な私とを同じ神経で捉えないでもらえるかしら?」
 ごく当たり前の会話のようにさらりと言われたその一言が、マシロの大事な何かにひびを入れたような音を彼は幻聴せずにはいられなかった。
 もはや怒りもどこへやら。
 愕然とした思いでマシロはディーを見ていると、彼女は何かに気が付いたようにハッと表情を変えると。
「ま、マシロ?
 その――、冗談ですよ?ジョークですよ?ま、まさか本気にしてないですよね?」
 壊れかけた心がすぐに癒やされるわけもなく、疲れた思いでマシロは思った。
 神様のジョークは実に笑えない――と。

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