FC2ブログ
少しでも前へっ!
足踏みのような歩幅でも、少しでも前進できればと思って、書き続けています。※リンクフリーです♪連絡いただけましたら喜んで相互させていただきます。
FC2プロフ



最新記事



カテゴリ



最新コメント



最新トラックバック



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ご訪問者数



☆ブログランキング☆
★参加していますっ★



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



天気予報


-天気予報コム- -FC2-



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



極小の中にあふれる無限32

 あとは芋蔓式であった。
 引っ張り、手繰り寄せれば、それをそれとして見極めるための基準が手に入ったことで、この国のトップたちが懸命に隠し通そうとしていたことが、あっという間に掘り出され、それぞれが意味を持って、真実を語っていた。
 例えばエデンというペーパーカンパニーの設立であったり、それに伴う資金の運用であったり、また坑道の維持管理に始まり彼らの衣食を支えるための費用。
 そうして見えてくるものがあった。
 決して信頼をしているわけでもないが、それでも都合のいい駒として、王国はこのエデンを扱っていた節がある。
 いわば共存というべきか、共生というべきか。
 日の当たらないところに寄生させる代わりに、宿主である王国に利益を還元させる――そういった面をも持ち合わせていたらしい。
 平たく言えば、汚れ仕事である。
 その中には「ズヤールの大罪祭」と思わしき内容のものもあった。
 なるほど。
 それは互いにとって利点が多かったことだろう。国軍をちらつかせることで相手側の台頭を抑える代わりに、資金提供という形で不満をある程度和らげてきた。更に表沙汰にできない仕事を依頼することでこの国の暗部を共有し、相手側にとってのアドバンテージが与えられたかのように思わせることで、あえて時折、それもわざとゆすられてやることでガス抜きをコントロールしてやれば、通常隠匿するにあたって払うリスクからすればはるかに安く済んだことだろう。どちらかが裏切れば、諸共に崩壊してしまう可能性を孕んでおり、一蓮托生そのものだと思っていたのだろう。――少なくとも、国側のトップの連中は。
 だが、こうして。
 今、こうして。
 そんな国はもろくも崩れ去ろうとしていた。
 それはとても簡単な理由だった。
 国のトップはタカをくくっていたのだ。
 現に、通常であればまずありえない。
 ありえないことなのだから、考えるはずもなかったのだ。
 王の暗殺。
 もちろん、暗殺そのものの危険を考慮しなかったというわけではない。
 暗殺の危険を考慮し、最善を尽くすべくあらゆる手配をしていたからこそ、暗殺されるわけがない、できるわけがないと高をくくっていたのだ。
 完ぺきはないとはいえ、それでも考えうる手段では、まず起こらない。
 ――はずだったのだ。
 彼らは考えもしなかった。
 素手でコンクリートを砂糖菓子のように砕いて見せる少年がいるなどということを。
 むしろそれは、今この時点でにおいても、そんなことが行われていたと知るものはまだ誰もいない。
 不審ではあり、ありえないことではあったが、それでもありえないことを認めるよりかは、見落としなどのヒューマンエラーだろうという見解をとる方が、よほどわかりやすく納得ができた。
 故に、ファンベルンはそのことを言及するのは避けた。
 何分、そのヒューマンエラーを起こしたと思われる当人たちが、偽り欺くようなそぶりをわずかも見せることなく、歪みそうになる表情を懸命にこらえて上長からの詰問に答えているさまを見たからだ。
 この一大事の時に、仲間内で疑いあうことほど不毛なことはない。
 いずれにせよ、それは終わったことなのだ。
 なら、これから先のことを考えるほうがよほど建設的ではないか。
 難局が故に、皆で一致団結しなくては乗り切れるものでもない。それにここで一致団結させることができれば、おのずとこの後の局面においてもマイナスに働くことはないだろうという旨みもある。
 ファンベルンも何も誠実さだけでここまで上り詰めたわけではない。
 数々の幸運を生かしきるだけの裁量を持ち合わせていたが故の准将だった。
 だから彼は出発前にこう語った。
「ありえない――。
 ありえないというのであれば、この事態こそがまずありえないことだったはずだっ!
 王が斃された。
 私たちは生きているのに――だ。
 私たちが生きているのにだっ!!
 剣であり、何より盾であろうとした我々が生き残り、守護すべき王が斃されたというこの現実は何だっ?!
 ――もちろん、私たちは王より先に死ぬために訓練を重ねてきたわけではない。王を守護し、仲間を助け、敵を砕くために訓練を重ねてきたはずだッ!
 故にッ!
 肩を並べるものを助けよッ!!立ちふさがる敵を肩を組んで突き崩せッ!!!
 ありえない今を、せめて悪夢で終わらせよッ!
 悪夢のようにありえない今を、油断なく、容赦なく、終わらせろッ!!
 シュタルに清浄な夜明けをッ!!!」

関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック URL
http://hyosayblog.blog.fc2.com/tb.php/481-b8222b53



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。