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極小の中にあふれる無限33

 シュタル軍の精鋭からなる近衛部隊を率いたファンベルンたちが廃鉱山に辿り着いたとき、息をつく暇もなく何かが飛来してきた。
 それは少なくとも、この場所がはずれではなかったことを意味していた。
 それも、いざ辿り着いてみれば、八方塞の罠のど真ん中だったなどというケースからすれば、よっぽどありがたいことでもあった。
 飛来してきた何かが装甲車にあたると、そこは装甲車の走行速度も関係し、鈍い音を立てた。
 その音に車内の緊迫感は否応に高められる。
 そして直ちにほかの車両へも伝達される。
「飛来物被弾――損傷はなしっ!爆発の可能性を考慮に注意されたいっ!!」
「全車両散開し後退――後、停車せよっ!!」
 矢継ぎ早に指示が飛ぶ中、その指示に答える各車両は連携のとれた動きを見せ、めいっぱい車幅を利用しても車三台分程度しかない道を、五台の装甲車は等間隔に、しかし縦軸にも横軸にも直線に並ぶことなく停車した。
 そう、ここはもう鉱山の入口のほぼ正面だった。
 投擲物を警戒して距離をとってはいるが、その正面入り口を包囲するように各車両はそのヘッドライトを向けている。
 何より幸いなことに、先ほど報告のあった投擲物は、不発弾だったのか、爆発などすることがなかったため実質的な被害はなかった。
 ――しかし、
「があぁああああああっ!!」
 雄叫びがしたかと思えば、何者かがファンベルンの乗る指揮車両に、硬いものが当たった。
 こちらが接近する間に移動をしたのだろうか。そもそも、横合いからの投擲だったのだろうか。
 いずれにせよ指揮車両が直接攻撃を受けたという事実に緊張感が一気に高まる中、ファンベルンは至極冷静に告げた。
「――照明弾、上げろッ!」
 号令後、まるで指示をしたファンベルン自らが行ったかのような無駄のない連携で、あたりを強烈な閃光が包み込んだ。
 その光は周囲の闇を文字通り焼き払い、煌々とあたりを照らしあげた。
「ぐ――がぁっ!!」
 それまで身を隠してくれていた、闇が亡くなったことに動揺したその人物は、悔しそうに吠えると、持ってきていたもののうち、残りのものすべてをファンベルンたちへとぶちまけて、その場から素早く退散した。
「――おいおい」
「うそだろ?」
 そんな声が兵たちの間から聞こえてくる。
 そしてそれはファンベルンの気持ちを代弁してもいた。
 装甲車から降りた彼らが、照明弾の光の下で見たものは、爆発物らしきものなど見当たらず、あるとすればあたりにあるのとそう変わり映えしない、握りこぶし程度の石と、装甲車にたたきつけられた卵の中身であった。
 さすがに卵の音は、予想できなくもなかったが、正直確信までは持てていなかった。
 装甲車に対して卵など、何の意味があるというのだろうか。
 それも、王を斃したと目される組織にいざ接近してみたら――という状況である。
 やるせなさにも似た気持ちを抱くものも少なくなかった。
 我々は、このような相手にむざむざと王の命を奪われてしまったのか。
 それは装備や肉体といったものには、確かにどのような被害も生まなかったかもしれない。
 しかし、今日ここまで青天の霹靂ともいえる出来事に直面し、精神をすり減らし続けてきた彼らにとっては、出発前のファンベルンの激によって上げられた士気を低下させるには、非常に有効であり、この局面においては非常に的確だった。
 故にファンベルンは声を張る。
 肉声でもって彼らの鼓動を叩く。
「我々は非常に効果的な攻撃を受けたッ!それは認めよう――がっ!!
 我々のうち誰も、一人として命を落としていないのも事実っ!!
 むざむざと敵の策に弄されるいわれもないっ!
 引き締めよッ!これより作戦を開始するッ!!」
 兵士一人一人の瞳に、再び戦意の光が宿った。
 皆が一様にうなずき合い、ファンベルンのハンドサインに従い行動を開始した。
 ミッション内容は「施設への潜入・そして無力化」である。
 いつどこでどのような敵が待ち構えているかもわからない。
 消耗に次ぐ消耗――。
 しかし、誰一人として命――いや、傷一つ負うことなく、坑道の中より次々とクリアの声が上がる。
 そして、ファンベルン自ら率いる舞台は見つけた。
 ここにフルーリーがいたらしき根拠を。
 証拠を。
 それを見たとき、さすがのファンベルンも膝を折った。
 そしてつぶれたそれを、自らの両手で掬いあげるようにして、手に取った。
「――おいたわしや……」
 その両手の中にあったのは、フルーリーと同じ金の瞳を持つ二つの眼球であった。

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