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極小の中にあふれる無限36

 フルーリーは自分の思考回路に、わずかながらに嫌悪感を覚えていた。
 自分の思考回路が、まるでプラタナスをハメた者たちと同じもののような気がしたからだ。
 知らずに表情に出ていたのか、プラタナスことスロウスは気にすることないさと笑った。
「正直今のを正確に答えられる方が、あたしとしては困るところだったんだよ」
「困る――ですの?
 ――もしかしたらそれは、そのことを知っていた可能性を示唆しているのかもしれないし、あるいはそこに行きつくだけの思考回路を有していることが脅威――といったところですの?」
「……優等生過ぎてつまらないねぇ」
 不満そうに鼻を鳴らすスロウスではあったが、その表情は気だるげなのはいつもの通りだが、どこか明るかった。
「少なくともあたしはそんなミス犯したつもりはないからねぇ。
 ――まあ、それを『覚えている』のだとしたら、ありえるんだが……まずありえない」
「覚えて――?」
「ああ、そうさね」
 言われると同時に記憶の糸を手繰り寄せるフルーリーではあったが、少なくとも覚えている限りで、彼女が作った白雪姫の林檎(スノーホワイトアップル)どころか、プラタナスであった彼女の研究室を訪問したような記憶はなかった。
「その様子だと覚えていないようだねぇ。それでいいのさ――ああ、覚えていないことが当たり前だって意味でだがね?」
 さてどうしたものかねぇ。
 スロウスは一同に視線を巡らせ、それが終わると椅子に浅く腰掛け、軽く寝転がるような姿勢をとった。
 そうして天井を見上げて、話を始めた。
「むか~し、むかし……。
 こんなところかねぇ?」
「――むかしでいいですから、先をおねがいしますわっ」
「なんだいせっかちだねぇ?」
「ここにきてもったいぶられても――」
「スロウス――なんだけどねぇ。あたしの名前は」
「もういいですから、わかりましたからっ!」
「まったく……かわいげのない子に育ったものだよ」
「――?」
 その言い回しにフルーリーは引っかかるものがあった。
 まるで、育つ前の自分を知っているような――、例えば母親のような口ぶりだったからだ。
 しかし、王族であり、実の母親を知るフルーリーは、スロウスが母親ではないこともまた、言うまでもなく事実として認識している。
「あるところに、生まれつき目が見えない赤ん坊がいました」
 フルーリーは誰とも視線を交じらせることなく、淡々と語るその様に、フルーリーは怖気にも似た悪寒を感じた。
 まるで、あえて誰だと明言することを避けるようなその姿勢は、まるでその該当者がこの中にいるかのようでもあったからだ。――なにより、そうなのではないかという奇妙な確信が彼女の中にはあった。
 それは、自分のことではないのかと。
「彼女の両親――特に父親は、そのことを甚く気に病み、とある医者に頼み込みました。
 その父親は金も名声もありましたので、その医者はただの医者ではなく、大賢者と――はあ、めんどくさい。自分で大賢者だということ自体がめんどくさい、そうだろ?」
「――いろいろだいなしですわね」
「お姫様ならもううすうす感づいたんじゃないかね?と、確信しているんだが、どうだろう?」
「――私の――」
「ああ、そうさ。やっぱり無駄だったねぇ」
「……詳しくお伺いできますか?」
「――わかった」
 そうしてスロウスは、真実を語り始めた。

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