FC2ブログ
少しでも前へっ!
足踏みのような歩幅でも、少しでも前進できればと思って、書き続けています。※リンクフリーです♪連絡いただけましたら喜んで相互させていただきます。
FC2プロフ



最新記事



カテゴリ



最新コメント



最新トラックバック



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ご訪問者数



☆ブログランキング☆
★参加していますっ★



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



天気予報


-天気予報コム- -FC2-



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



極小の中にあふれる無限39

「『王様の耳はロバの耳』――なんてねぇ」
 車の背もたれに深く寄りかかりながら一人ごちるスロウスは、まんざらでもなさそうで、どこか憑き物が落ちたかのように笑みを浮かべていた。
 彼女がどんな思いでつぶやいたのか。彼らにはうまく理解することができなかった。
「――その、水を差すようで悪いのですけれど」
「まったくだよ、ほんとうに。もう少し余韻ってやつにさ――まぁ、冗談だがね?」
 よっこらせと背中を丸めながらフルーリーに向き合い、ニヤリと笑みを浮かべる。
「お姫様が心配している、眼球のことなんだがね?――ここまで来たんだ。
 もう少しお話させておくれよ」
「――かまいませんけれど……」
 フルーリーは車窓を見てみると、城までそう遠くないところまで来ていることに気が付いた。もっとも、外側からは車内に誰が乗っているのかはわからないように、スモークが張ってあるわけだが。
「さっきも言った通り、グラトニーに使った白雪姫の毒リンゴ(スノーホワイトアップル)は、いわばα版とでもいうようなやつでね?
 そりゃ、あたしだって万全に次ぐ万全というやつを期して望みはしたが、それでも完ぺきとは程遠い代物だった」
「――おいおい、本人を前にしていうことかよ……」
「まあそういいなさんなよ。なんだかんだと、不都合らしい不都合はないはずだよ?」
「――よく言う……」
「お天道様の下を歩けるだけありがたく思うんだねぇ」
「――それこそ、よく言ってくれたもんだ」
 グラトニーは乱暴にハンドルを切った。
「まあまあ、そう怒りなさんな。一番の問題は、単純に適合率の問題さね。
 その辺は、人間の臓器移植と同じようなもんでねぇ。
 もうちょっとわかりやすく言えば、例えば金属でできたナノマシンだと、金属アレルギー持ちには使えないとか、そんなニュアンスさね」
「アレルギーねぇ。アナフィラキシーショックって言葉、知ってるよな?」
「いやだねぇ、突っかかって……。しつこい男は嫌われるよ?」
「フンっ――!」
「それに、あれだ。グラトニーはわかっていると思うけれど、擬態は擬態でも、それは確かに皮膚を擬態しちゃあいるが、皮膚の上で皮膚の擬態をしているわけだ。
 それでも効果は得られたわけだが、あたしが想定していた効果とはちょっと違ってねぇ」
「はっきりいえよ、失敗作だって」
「――いやな子だねぇ……」
 いやで結構。そう吐き捨てるように言うグラトニーは、だが年相応にすねただけのようにも見える――。いや、実際そうなのだろう。本人は認めないだろうが。
「大賢者だのと言われたあたしだけれども、何も万能だってわけでも、ましてや神様なんかじゃあない。当然だがね?当然だよ。
 ――そこを勘違いする人が多くて困りものなんだが、まあ今はそれはいいか。
 んで、当然そのまま――というわけにはいかない。
 狙った効果が得られなければ、取り返しのつかないことだって起こるかもしれない。
 それに、適合率の問題もある――ってなわけで、調整をしていた時に舞い込んできたのが、お姫様。あんただよ」
 フルーリーはスロウスの瞳を見返しながらうなずいた。
「適合率の問題はまだ残ってはいたんだが――、それでもお姫さまもその問題はクリアしていた。狙った効果という点に関しては、ご存知の通りってわけさ。
 眼球の欠陥を埋め、視神経を正常に繋ぎ、脳が光を正常に認識できるようにした。
 適合率の問題は確かに残るが、満足のいく結果だった――が……。
 ここであたしの研究が王族に知られたことが……まずかった」
 おそらくは見えない過去をそこに見据えながら、話をつづけた。
「あたしだって人間さね。人並――いや、それ以上に、いや、異常なほどに強い、探求心と自己主張を持っていた。
 だから、あたしの研究の成果をご覧じろうってね。
 もちろん、人助けだっていうこともあったし――、相手がお姫さまだってこともあったし、全力を尽くしたさ。
 全力を尽くして、結果を出して、鼻を高くしていたところを――、掴まれちまったようなもんさ。
 考えれば間抜けなもんだ――が、それでもお姫様が視力を手に入れたことと天秤にかけれるわけもない。ようするに、なるべくしてなったわけだが――。
 白雪姫の毒リンゴ(スノーホワイトアップル)を軍用利用できるように改良するようお達しが来ちまったんだよ……」

関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック URL
http://hyosayblog.blog.fc2.com/tb.php/488-f27ce120



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。