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極小の中にあふれる無限41

「さてと、お姫様?」
 スロウスはフルーリーのサンライズを見つめて、インタビューするアナウンサーのようなしぐさで質問を投げかけた。
「――ここまで、この国のいろいろな話を聞いてきたよねぇ?」
「そうですわね」
 冗談めかしたようなリアクションで尋ねるスロウスだったが、その目は全く笑っていなかった。
 フルーリーもそんなスロウスの瞳には気付いており、冷やかさすら感じさせる瞳で応じた。
「あんたは――どこまでを知っていたんだい??」
 スロウスもフルーリーも、まるで視線に牙があるなら、壮絶な噛み合いを演じているかのように、まばたきをすることなくお互いの視線を見つめた。
「――いいえ。私はなにも」
 視殺戦を継続しながら、体温を感じさせない口調でフルーリーは応じていた。
 それは、はたから見ている分には、「そんなわけないだろう」と思わせるには十分なものであり、また、なぜこうも露骨な反応を見せるのか、グラトニーとエンヴィーは疑問に思った。
「――悪魔の証明……というのをご存知ですか?」
「――悪魔が存在しないことを証明することはできない――とかってあれか?」
「そう。そのことですわ」
 なるほど。
 フルーリーはこういいたいのだろう。
 どれだけ状況証拠がそろったところで、証拠がない限りは、真実足りえない――と。
 事実、フルーリーがこの国のいわば恥部といったものを、すでに知っていたなどという証拠は存在しなかった。
「――王族なんてやっていれば、いやでも不評も、悪い噂も耳にするものですわ」
「それら一つ一つに取り合っていたらきりがないと」
 そう皮肉って笑うスロウスに、涼しい顔をして、
「そういった貴重な意見を、いつも参考にはさせていただいていましたわ」
 と、フルーリーは応じた。
 まるで、社交辞令のような返答であった。
 ――とはいえ、
「父を亡くしたばかりなんです……。そういじめてもらっても、正直困ってしまいますわ」
 そう視線を切って、トーンを落として、スロウスを責めるその姿を、気配で感じたグラトニーが、
「――それもそうだよな」
 間をとりなすように応じた。
「はいはい、あたしが悪ぅござんしました」
 スロウスはへらへらとした調子でグラトニーに応じる。
「――っと、タイミング良すぎだろ」
 グラトニーは前を走っていたグリードたちが乗る車両に続いて、路肩へと車を寄せ停車させた。
 そこは王城までおおよそ二百メートルといったところに位置する、一見すると五階建てのアパートといった風情の建物の前であった。
 この辺りは王城の近くではあるものの、大通りから外れているせいか、あまり開発が進んでいないらしく、時代に取り残されたような建築物がほとんどそのままの姿で使われている。
「この辺りはあれだよね。開発したくてもできない事情があるんだよ。そうだったよね?フルーリー?」
 尋ねるグラトニーに対するフルーリーの返答は、
「――――…………」
「おやおや、だんまりかい?お姫様が庶民の声を無視するだなんていただけないねぇ?」
「……そう蔑まれましても困りますわ?そもそも、そんな――いわゆる都市伝説のようなことを真実のように語るお義兄様に、どうやって返答すれば傷つずにすむのかと思案して、言葉を選んでいただけですわ?」
「おやおや。お気遣い痛み入るよ」
「いえいえ、どういたしまして」
 都市伝説――それは次のような内容だった。
 要するに、このあたり一帯が王城にほど近いにも関わらず、開発が進まないのは、その建物のうちのどこかに、王城からの抜け道が隠されている――という内容のものだった。
 再開発することで、そんな抜け道が見つかり、秘密を知るものが増えても困る――だから開発がなされないまま放置されている。
 と、そううわさされているのである。
「けれどもフルーリー?『火のない所に煙は立たぬ』というじゃあないかい?」
「火なんて起こそうと思えば、どこでだって起こせるものですわ」
「まったく、どうしったっていうんだい?車の中でなにかあったのかい?えらく不機嫌なようすだけれど、僕の妹君は」
「とくに、なにも」
「ふむ――まあ、ここに立ちっぱなしというのもなんだし、とりあえず中に入ろうか」
 そういうとグリードはアパートの玄関を押し開けて、エントランスへと入り居合わせる者たちに中へ入るよう、顎で示した。

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