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極小の中にあふれる無限44

 フルーリーを伴う一行が、王城の地下から現れると、場内は一気に騒然となった。
 ファンベルンはそのことを無線で知ることになる。
 何より、その報告の後、王族が会見するときに使用される報道スペースにて彼らが会見を開くのを、見せつけられることとなった。
 その画面の中、中央に映るのは見た目では自分と同じ頃に見える男性であったが、彼の後ろに控える者の中に、見間違えるわけもなくフルーリー本人が、カメラへと視線を向けていた。
 そして安堵する。
 フルーリーの双眸が、いつもと変わらぬ、謳われる通りのサンライズと呼ばれる輝きを宿していることに。
 そうして思い返す。
 あの時落ちていた二つの眼球は何だったのかと。
 得体のしれない状況にはあったらしいとだけ理解すると、彼女があそこにたたずんでいるのも、もしかしたら何らかの薬品で正常な思考を奪われているせいなのかもしれないとも考えられた。
 かといって、今いるこの場所では動きようがない。
 もう少し正確に言えば、あの場所に踏み込みようがない。
 あのもぬけの殻だった廃鉱山を後にはしているものの、それでもまだ城内には辿り着けてはいなかった。
 これほど焦りを募らせることもなかった。
 たとえ王がいなくなったとしても、王女であるフルーリーでさえ健在であれば、まだ王家の滅亡とはいえない。
 彼らがどのような意図と経緯をもってフルーリーを保護(あくまでも、楽観的な見解としてだが)したのかもわからぬ以上、これでめでたし一件落着とはいかない。
 フルーリー個人が持つ権威があまりにも大きすぎるためだ。
 もし彼らがフルーリーを支えることを宣言し、彼女の台頭を願い、彼女がそれに答えるとすれば、彼らの発言力までもが否が応でも増すだろう。
 王女を救出した英雄として称えられることだろう。
 それは、長年王家に仕えてきたファンベルンにしてみても、一人の男としても、面白い話ではなかった。
 そもそもがである。
 今ああして会見を行うにあたって、フルーリーを後ろに下がらせ、己の口で語る男の意図が理解できなかった。
 なぜ、なによりもフルーリーを表に立たせ、彼女自身に自身の無事を語らせないのか。
 そこに強い違和感を覚えていた。
 これではまるで――、いやそうなのだろう、実際に。
 彼は、自分の存在を知らしめたいのだ。
 そんな男だからこそ、王女を差し置いて自身を押し出し、語ることを選んだ。
 そんな男が、この後何を望むのか。
 富か、権力か、武力か、特権か、地位――それも絶対的な――か。
 もしあの場所に、今自分こそがいたのであれば……。
 知らずファンベルンは歯噛みする。
 そうだ、もしあそこにいるのが自分であれば――、おそらく自分は王女を支えるようにそばに立ち、彼女の口で無事を語らせ、自身を褒め、労ってもらっただろう。
 そうすることで、己の立場を確固たるものにし、二人で並び立つ絵というものを国民に見せ、馴染ませようとしただろう。
 そうすればやがて二人が婚姻することを望む声も強くなり、そんな未来がいよいよ現実味を増し――。
「准将――」
「――なんだ」
 瞬間的に意識を現実へと引き戻し、ファンベルンは平静を取り繕ってガランの呼びかけに答えた。――とはいえ、内心自身が彼らに声をかけさせたくなるほどにだらしない顔をしていたのだろうかと、口元を拭って確かめたい思いに駆られたが、よくよくルームミラーに映っている自分を確認する限り、そのようなことはなさそうだった。
「どうにも現場も混乱しているようでして――」
 ファンベルンは口には出さずに、現地の天地をひっくり返したような状況であるだろうことを思い浮かべると彼らに対して同情の念を抱き、なにより今ここにいることである意味客観的に考えられるのだという、有利性を見出していた。現地にはいない――だから努めて冷静に、考えられる、考えやすい。
「ただ私自身が――、記憶違いなどでなければですが。
 年月も経ってますし、背も伸びてはいますが、この中央の男――。
 これ多分、あれですよ。
 前々近衛の隊長で、准将の地位にあった――、例のフォグルド准将の――忘れ形見……。
 そしておそらくは――、と、憶測でいうのは憚れますが――」
「かまわん――し、おそらくはそうだろう」
「――はい」
「故王の息子――そういいたいのだな」
「面影があります」
 ガランはそう答えながら、自身の記憶にある、フォグルド准将宅を訪れた際に出会った少年をそこに見ていた。

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