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極小の中にあふれる無限64

 フルーリーは母親を失ってから、シュタル王から「お願い」をされることが増えていった。
 代わりに、フルーリーは自分の考えをそれとなくシュタル王に実行してもらうようになった。
 その結果が、シュタル王が賢王と称えられるまでになったのだから、彼女の才覚のすごさがうかがえるというものだ。
 それでいて母親の存在のありがたみもしっかりと感じていた。
 何も彼女だって、母親を嫌いだったわけではない。
 むしろ、きちんと母親としてリューネの事を愛していた。
 あの母にして、この子在りといったらそのとおりである。
 そもそもフルーリー自身、リューネを殺そうと思ったわけではなかったわけで。
 結果としてそんな悲劇が待ち構えていたというだけであって、彼女自身は健全な母親が戻ってきてくれることを望んでいたのだから。
 そんな母親がいなくなってしまい、また王室としての体面があったこともあって、方針としては「母親の代役を務めるけなげな王女」というイメージ戦略を立てられ、それを彼女は忠実にこなしていった。
 その姿そのものが、「けなげな王女」そのものであったこともあって、彼女はカリスマ的な、それもアイドル並みの人気を得ることとなり、その影響力は先日の記者会見でも表れていた通りだった。
 それは間違いなく彼女自身の功績だった。
 たとえほかの者たちの思惑もあったとはいえ、それでも彼女が国のことを思い、国民のことを思い続けたからこその成果であった。
 ――だが。
 だからこそ、というべきか。
 彼女は俯瞰するようにして人を見ることには慣れていたが、生々しい人間の姿を目にする機会が乏しかった。
 もちろん、いろんな者たちと出会ってきたし、言葉も交わしてきた。
 それでも、理解できないながらに微笑みを携えてうなずくことで、コミュニケーションは形を成し、政策という形では彼ら彼女らの声を叶えることが、たとえ少しずつでもできていたため、彼女の支持率は高まる一方だった。
 それは政策であり、徹底的に俯瞰してみることしかできない彼女だからこそできたともいえた。
 それに、そもそもは彼女自身が政治を動かしていたわけでもない。
 実際に動かしていたのは彼女の父であるシュタル王だったのだから。
 あくまでも表向きには、国民の声を聴く王女と、それを懸命に王に伝え、聞き届けた王がそれを思案し、実行に移すという一連の流れがあるように、国民たちの多くは感じていた。
 そうではないか。
 フルーリーは何しろ子供なのだから。
 フルーリーはそのこともしっかりとわきまえていたため、己の存在や能力を必要以上にひけらかすことを避け、父王を立たせることを優先し続けた。
 それでもフルーリーは望み続けた。
 考え続けた。
 それは、企み続けたとさえ言っていい。
 王家の取り潰し。
 それも、なるべくして円満に。
 だからこそ、政策も誠心誠意行ってきたし、国民たちの意識も政治に関心を持つように、ある種の扇動も行ってきた。
 結果としてあの義兄のことさえも利用したことも否定はしない。
 義兄の存在を不穏に思い、王室から遠ざけたことさえも。
 フルーリー自身もうすうすとは気が付いている。
 自分がやっていることは、方向が違うだけで、王室が行ってきた政治における独占と何ら変わりがないものだと。
 自分の思い描く都合を、思い通りに描いているだけなのだと。
 そこには、義兄であっても変わりなく、むしろ近しい分扱いやすいとさえ感じていた。
 その感想は、シュタル王にも通じる。
 だから、彼女はこうも思うのだ。
 王族が故の恥部。
 そんなものを誰にも気づかれることなく、私を最後に終わらせましょうと。
 トイレットペーパーで口元を拭い、周りを可能な限り清めた後、頬りこんだトイレットペーパーごと水洗トイレの水を流し、口をゆすぎ、顔を洗って、軽く歯をかみ合わせて状態を確認し、彼女はレストルームを後にした。

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