FC2ブログ
少しでも前へっ!
足踏みのような歩幅でも、少しでも前進できればと思って、書き続けています。※リンクフリーです♪連絡いただけましたら喜んで相互させていただきます。
FC2プロフ



最新記事



カテゴリ



最新コメント



最新トラックバック



メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:



ご訪問者数



☆ブログランキング☆
★参加していますっ★



検索フォーム



リンク

このブログをリンクに追加する



ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる



天気予報


-天気予報コム- -FC2-



スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



極小の中にあふれる無限71

「――あなたは、グラトニーのことを恨んでいますの?」
「……恨んでいる――というのとは、ちょっと違うかなぁ」
「………………」
 そう言って笑顔で誤魔化す彼が口にしなかった言葉を、フルーリーは的確に読んでいた。
 寂しい。
 その言葉を笑顔で覆い隠して、はにかむ表情を笑顔で誤魔化していたのだと。
「けどさ、そんなトラウマの僕の方から、『僕自身』に話しかけるわけにはいかないじゃない?
 僕はトラウマだからここに閉じ込められた――。
 『僕自身』が見ないようにするために閉じ込めた僕が、僕の方から声をかけるなんて、できると思う?」
「――それは……ですけれど」
「そう、だけれどこのままでは僕は死んでしまう――そうでしょ?」
「……その通りですわ」
 先回りされたようで、フルーリーとしては面白くない。
 彼を説得するためには、会話の主導権をとることこそが必要なはずだからだ。
「けれども、――どうしようもないじゃないか。僕の声なんて『僕自身』は聞きたくなんかないはずだよ」
 しかし、その言葉を聞いたとき、フルーリーはピンと来た。
 むしろ、彼は――。
「――それでも、死ぬよりかはマシですわ」
「――死ぬ方がマシだと思っているのかもしれないよ」
 そう。
 フルーリーは思い違いをしていた。
「悲しむ人がいますわ」
「――その人には悪いと思うけどさ」
「命――ってそんなに簡単に捨てられるほど、軽くはないですわよ?」
「軽いよ――。特に僕なんかは」
「それは一人だと思っている人の理屈ですわ」
「――それ……、でも――」
「ええ、ですけどっ!エンヴィーやスロウスだっていますわっ!」
「わかっている――、けど。でもっ!」
「なによりあなたがいるじゃあないですのっ!」
「――でも、僕は『僕自身』――」
「過去だの、トラウマだの、そんな言葉であきらめることを納得させようとしているあなたがいるじゃあありませんのっ!」
「――――」
「グラトニーに死んでほしいんですのっ?!」
「そんなわけないよっ!!」
「なら、死んだ方がマシ――だのと、悲しいことをいわないでくださいましっ!」
「だからって――」
「言い訳は結構ですわっ!
 やらないで死ぬより、やって死んだ方がいいに決まってますわっ!
 それこそ、そっちの方がマシですわっ!!」
「………………」
「それに、――それにもし、トラウマのせいで発作が起きたりしたとして――。
 それでむざむざ死なせるような『私たち』じゃあ、ありませんのっ!」
「――あ……」
「そうですわっ」
 フルーリーはグラトニーのトラウマという少年の肩を掴んだ。
 フルーリーのそれより細い彼の肩は、小刻みに震えていた。
「あなたと同じ思いを持つ人がこうしていますわっ!
 あなたは一人なんかじゃありませんっ!」

関連記事
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
トラックバック URL
http://hyosayblog.blog.fc2.com/tb.php/520-5d9ead2a



上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。